身体拘束(逮捕・勾留)を受けた被疑者や被告人は法務省管轄の拘置所(未成年の場合は鑑別所も含む)か各都道府県警察管轄の警察署留置施設に収容されますが、これまで人員配置等の問題で拘置所・鑑別所では夜間や休日の面会(接見)や被疑者ノート等の差入れが実現していませんでした。警察署では当直態勢があるため夜間・休日の面会や差入れも可能であったことと比較して不均衡であり、過去「代用監獄」と呼ばれたこともある例外措置のはずの警察署留置施設のほうが接見交通権の保障に厚いという本末転倒な事態が常態化していました。
日弁連と法務省は過去(平成19年)に申合せを行い、一定の場合において夜間休日の面会を実施していましたが、この申合せでは夜間休日接見の条件が厳しく、また物の差入れはそもそも申合せがありませんでした。そのような中で、日弁連が法務省と約2年にわたり協議を重ね、この度申合せを改定し、拘置所等での夜間休日接見や差入れが大幅に緩和されることとなりました。具体的には、被疑者に対しては土日祝日や年末年始(休日)でも面会ができるようになったほか、被疑者・被告人との夜間や休日の面会の際に被疑者ノートや裁判資料などを差し入れることも可能となりました。
私(半田)は日弁連接見交通権確立実行委員会の委員長としてこの協議に参加し、現場で生じている問題や弁護人からの不満を法務省に伝え協議の場で改善を強く求めてきました。最終的に法務省側の事情もあり、警察署留置施設との較差が解消するには至りませんでしたが、一定の範囲で接見の機会や防御権の確保が実現することとなり、大きな前進であると考えています。この変更でも解消しなかった問題については引き続き問題事例の集積を行い、今後の改善に向けた運動を行う必要があると考えています。
この変更は5月12日付NHKのニュースでも報道され、私もコメントをさせて頂きました。以下、コメントの一部を引用いたします(引用元 https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015118871000 )。
日弁連の「接見交通権」に関する委員会で委員長を務める半田望弁護士によりますと、夜間や休日の文書の差し入れは一部の地域の刑事施設では認められていたものの、全国的には認められていなかったということです。
半田弁護士は「これまでは、裁判所に提出する書面などを容疑者や被告の手元に置いて見てもらいたいこともあったが認められず、意思疎通が困難だった」と述べた上で、今回の運用の見直しについて「容疑者や被告との打ち合わせが充実し、自分の言いたいことを言える『防御権』をきちんと行使できるようになると考えられる。非常に大きな一歩だ」と話していました。
(半田)
