弊所では交通事故案件について、保険会社側からの依頼を含めて多数の事件を対応しておりますが、今般、賠償側(保険会社側)において不正請求を受けた場合の調査対応について、株式会社自研センターが実施する研修(2日間)を受講してきました。

研修では交通事故鑑定の経験が豊富な講師や、損害調査(アジャスター)業務に長く携わっている講師により、事故状況と車両の損傷の整合性判断や、当事者の説明が物理法則に合致しているかの検証方法など、交通事故の原因究明と損害調査に関する諸問題を実際の事例をもとに検討したほか、実際の車両のバリア衝突事件を元に車両に加わった力をどう分析するかや、軽微な損傷の修復方法などの実地観測も行われました。

実際の事例を用いた研修のため研修内容を事細かに報告することはできませんが、多くの事例からも交通事故原因解明というものはまさに物理学の問題であり計算でかなりの分析ができること、方程式を用いた計算もさることながら、「当事者の説明を前提とすると普通こうはならないだろう」という素朴な疑問が問題発見の端緒となっていることが確認できました。また、同型車を使った実験で説明の矛盾が判明した事例など、まさに「百聞は一見にしかず」という事例の報告を聞き、事案分析に労力をかけることの重要性を確認しました。

特に近年の車両にはEDR(イベントデータレコーダー)やドライブレコーダーが搭載されており、これまでよりも客観的なデータが得やすくなりましたが、得られたデータを解析にどう使うかの工夫なども示されました。

また不正請求発見のためには自動車盗難の手口や自動車の塗装、工学構造の知識を活用する必要があるほか、不正請求の動機や請求内容の整合性といった観点からの分析も必要とのことでした。

今回の研修は主として支払側の立場での研修でしたが、事案の分析方法や請求の合理性の視点など、被害者側での対応でも有益な知見を含むものでした。研修で得た知見を活用して、今後の交通事故事件処理のスキル向上に努めたいと思います。

(半田)

 長崎県長与町議会よりご依頼をいただき、議員を対象としたコンプライアンス・ハラスメント研修の講師を務めました。

 大変残念なことに、地方議会でのセクハラ・パワハラの報道は後を絶ちません。民間企業でも同様の問題はありますが、議会では議員相互の関係や自治体職員との関係など、民間企業とは異なる人間関係があり、それに起因したハラスメントの問題も多いように感じます。また、議員は公人として高いモラルが求められるため、問題があった場合には私人よりも強い非難を受けやすいという点もあります。

 研修ではハラスメントについて「ハラスメントとは何か」、「どのような行為がハラスメントに該当するのか」を説明すると共に、ハラスメントを防止するためにどのような点に注意すべきかということを説明させて頂きました。また、ハラスメントと同じ問題として、不適切な情報発信・表現行為の問題についても解説しました。

 弁護士が実務経験をふまえてハラスメントやコンプライアンスを解説することは受講者にとっても有益であると自負しており、今後も同様の依頼がありましたら可能な限り協力をさせて頂きたいと思っております。また、自治体や諸団体・民間企業においても同様の研修を行う意義はあると思いますので、ご要望がありましたら遠慮無くお問い合わせ頂ければと思います。

(半田)

 2023年12月に九弁連研修委員会主催で実施した研修と追加の座談会を収録した「裁判官! 当職もっと本音が知りたいのです。 民事訴訟の説得力が上がる本」(岡口基一=中村真ほか、学陽書房、3月17日発売)の製作をお手伝いしました。第二部の座談会では企画構成も担当させて頂いております。

 同書では若手からベテランまで幅広いキャリアや経験を持つ弁護士が、元裁判官(研修当時は現職)である岡口基一さんに質問し、また自身の経験や工夫をもとにして多くの弁護士が持つであろう民事訴訟手続の疑問点に答える内容となっております。特に「効果的な最終準備書面とは何か」や「控訴審での実態と戦い方」など、これまでの研修で関心が高かった部分を収録しております。

 若手の弁護士や司法修習生はもちろん、これから法曹を目指す方にとっても実際の民事訴訟手続のイメージを持つことのお役に立てると思います。また経験豊富なベテランの弁護士にも、よりよい訴訟戦略を考えていただくうえでのヒントになるのではないかと自負しております。是非お手にとっていただけますと幸いです。

https://www.gakuyo.co.jp/book/b10130814.html

伊万里市議会で実施された「自治体議員のコンプライアンス」の研修講師を担当しました。

研修ではハラスメント防止を中心とした一般的なコンプライアンス研修に加え、議員活動において不可欠となる情報分析・発信の注意点について、特にSNSの利用や著作権への配慮を中心にお話させていただきました。

コンプライアンスは単なる法令遵守だけではなく、その組織・立場において社会から求められることを果たすことだということだと考えます。ただ、自分たちのことはなかなか見えないものですので、組織を客観的に見つめ直す機会として研修を活用頂ければと思います。議会や自治体職員向けはもちろん、民間での研修も対応いたしますので、ご要望がありましたら遠慮無くお問い合わせください。

(半田)