半田・江藤法律事務所からみなさまへ
2026.3.5 
コラム
交通事故の科学解析研修を受講しました。

弊所では交通事故案件について、保険会社側からの依頼を含めて多数の事件を対応しておりますが、今般、賠償側(保険会社側)において不正請求を受けた場合の調査対応について、株式会社自研センターが実施する研修(2日間)を受講してきました。

研修では交通事故鑑定の経験が豊富な講師や、損害調査(アジャスター)業務に長く携わっている講師により、事故状況と車両の損傷の整合性判断や、当事者の説明が物理法則に合致しているかの検証方法など、交通事故の原因究明と損害調査に関する諸問題を実際の事例をもとに検討したほか、実際の車両のバリア衝突事件を元に車両に加わった力をどう分析するかや、軽微な損傷の修復方法などの実地観測も行われました。

実際の事例を用いた研修のため研修内容を事細かに報告することはできませんが、多くの事例からも交通事故原因解明というものはまさに物理学の問題であり計算でかなりの分析ができること、方程式を用いた計算もさることながら、「当事者の説明を前提とすると普通こうはならないだろう」という素朴な疑問が問題発見の端緒となっていることが確認できました。また、同型車を使った実験で説明の矛盾が判明した事例など、まさに「百聞は一見にしかず」という事例の報告を聞き、事案分析に労力をかけることの重要性を確認しました。

特に近年の車両にはEDR(イベントデータレコーダー)やドライブレコーダーが搭載されており、これまでよりも客観的なデータが得やすくなりましたが、得られたデータを解析にどう使うかの工夫なども示されました。

また不正請求発見のためには自動車盗難の手口や自動車の塗装、工学構造の知識を活用する必要があるほか、不正請求の動機や請求内容の整合性といった観点からの分析も必要とのことでした。

今回の研修は主として支払側の立場での研修でしたが、事案の分析方法や請求の合理性の視点など、被害者側での対応でも有益な知見を含むものでした。研修で得た知見を活用して、今後の交通事故事件処理のスキル向上に努めたいと思います。

(半田)