半田・江藤法律事務所からみなさまへ
2025.8.22 
コラム
SNS投稿と著作権等

昨日(2025年8月21日)にNBCラジオ佐賀で放送された「サブカルラジヲ」にゲスト出演させて頂きました(田中むねよし先生、村山仁志局長、いつもありがとうございます)。

今回は番組のマスコットキャラができたこともあり、「SNSと著作権」というお題を頂いておりました。限られた時間で十分な説明ができたかは不安がありますが、少しでもリスナーの皆様のお役に立てる内容であれば幸いです。せっかくの機会ですので、放送ではお話できなかった部分も含めて、準備した原稿を完全版として公開しておきます。

Q:著作権って何ですか?

A:「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属する物」(著作物)について発生する権利です。著作権が認められる作品は、法律上認められている例外を除き著作者に無断で使用したり複製・改変・展示等をすることはできません。

Q:アニメやゲームの画像を切り取ってSNSのアイコンにすることはできますか?

A:著作権法で禁止されているのでできません。

Q:アニメや漫画、ゲームのキャラクターを書いたイラストの場合はどうですか?

A:キャラクターそれ自体が著作権で保護されていますので、自分で書いたものであっても著作権者に無断で使用することや改変することはできません。また、二次著作物として書いた人にも著作権が認められますので、第三者が書いたイラストを使用する場合には制作者の許可も必要です。

 ただし、商業作品の場合には各社がガイドラインを定めていますので、その枠内であれば使用することは可能です。各社によってスタンスが違いますので、個別にガイドラインを確認してください。ガイドラインが示されていない会社の著作物については基本的に使用不可と考えてください。

Q:自動車やバイクの写真はどうですか?

A:工業製品は「著作物」ではありませんので著作権法の問題は生じません。写真撮影が禁止されていない限り、例えば公道上の自動車やバイクを写真にとってアップしても問題はありません。もっとも、ナンバープレートや所有者が特定される情報をアップしてしまうと所有者のプライバシー権を侵害する可能性がありますので、この点には注意が必要です。また、博物館やイベントなどで展示されている車両の写真を撮影して商用利用することは規約等で禁止されている可能性がありますので、規約を確認するようにしましょう。

 なお、イラストや写真はそれを作成(撮影)した人に著作権がありますので、無断使用はできません。自分で撮影した写真や自分で書いたイラストは大丈夫です。

Q:実際には無許可の投稿やガイドラインに違反する投稿ばかりのような気がしますが、これって大丈夫なのでしょうか。

A:厳密に言えば違法です。著作権者から問題視された場合には損害賠償の問題が生じます。ただし、ガイドライン等によって許可されている場合のほか、明確に許可はしないものの、「一定のルールを守っていれば黙認する」というスタンスの権利者もあると思われます。基本的には著作権法上違法な状態であることは間違いありませんので、権利者の好意で許されているだけで、ガイドラインを逸脱したり著作物に対するリスペクトを欠く行為をした場合には著作権者からクレームや損害賠償請求がなされる可能性があることも理解しておいてください。

Q:著作権法違反の投稿をシェアしたら自分も違反になりますか。

A:なります。最高裁判所の判決(R2.7.21)ではX(当時はTwitter)である写真をトリミングして撮影者の名前が消えた状態の投稿をリツイートした行為について、自ら投稿をすることと同様であるとして著作者人格権(氏名表示権)侵害になると判断しました。この判例からは、SNS上に著作者に無断で投稿された著作権侵害がある投稿をシェアすることは元投稿と同様に著作権侵害となると考えるべきです。

Q:では、本の書影や商品のパッケージを写真に撮ってSNSにアップすることは著作権法違反になりますか。ウェブサイトのスクリーンショットはどうでしょうか。

A:厳密な意味では著作権法違反(展示権や複製権侵害)になりますが、通常は宣伝として包括的に使用を許可されている場合が多いと思われます(版元ドットコムでは装丁の利用可・不可が明記されています)。 なお、引用以外の目的で本文を写真に撮ったりSNSに投稿することは真正面から著作権法違反になります(いわゆる「デジタル万引き」というものです)。

Q:著作権法違反にならずに、お気に入りの本や商品を紹介する方法はありますか?

A:当該商品(記事)が掲載されているホームページのリンクを張る、著作権者(またはメーカー)の公式投稿をシェアするなどが可能です。また、著作権法上認められている「引用」として紹介することもできます。

(半田)